近年の日本におけるモンゴル帝国史研究の進展はめざましく、多様なテーマについてすぐれた研究成果が次々と発表されている。また、海外でもThe Cambridge History of the Mongol Empire(2 vols)が刊行されるなど、研究への関心は高まりと広がりをみせている。この機会をとらえて、標記のシンポジウムを開催して研究の現在を見晴らし、これからの課題を展望することには大きな意義がある。このシンポジウムは、今後の研究の発展に裨益し、とりわけ次世代の研究を担う学生・院生をこの分野に誘うことに寄与すると考える。また、モンゴル帝国は世界史上の重要な論点の一つであり、その研究成果は歴史教育にも貢献するところが大きい。報告にあたっては、当該テーマにおける研究史のあらましとご自身の研究の特徴と内容、とりわけその面白さを語っていただくことにしたい。
【日時】2024年6月22日(土)13:00~17:50
【会場】早稲田大学戸山キャンパス36号館382教室(12:30開場)
【参加費】無料
【主催】内陸アジア史学会
【共催】早稲田大学中央ユーラシア歴史文化研究所、東京大学中東地域研究センター、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター「国際的な生存戦略研究プラットフォームの構築」プロジェクト、東洋文庫中央ユーラシア研究グループ
【プログラム】
- 開会挨拶・趣旨説明(13:00~13:10)
- 第1部(司会:舩田善之(広島大学))
第1セッション「チンギス・カンの実像」(13:10~14:00)
宇野伸浩(広島修道大学)「チンギス・カン研究と初期グローバル化としてのモンゴル帝国」
白石典之(新潟大学)「考古学からみたチンギス・カン」
第2セッション「ジョチ・ウルスとチャガタイ・ウルス」(14:00~14:50)
長峰博之(小山工業高等専門学校)「ジョチ・ウルス史の研究動向から─史料研究・考古学・貨幣学」
松井太(大阪大学)「「周縁」からみたチャガタイ=ウルス─トゥルファン発現モンゴル語・ウイグル語資料を中心に」 - 第2部(司会:松田孝一(大阪国際大学名誉教授))
第3セッション「フレグ・ウルスから見えるもの」(15:00~15:50)
大塚修(東京大学)「モンゴル帝国時代ペルシア語歴史叙述研究の最前線」
諫早庸一(北海道大学)「フレグ・ウルスの崩壊─「14世紀の危機」の解明に向けて」
第4セッション「元朝から広がる海陸交通路」(15:50~16:40)
村岡倫(龍谷大学)「最古の世界地図『混一疆理歴代国都之図』から見る内陸アジア」
向正樹(同志社大学)「混一疆理歴代国都之図から見る海域アジア」 - 第3部 総合討論(16:50~17:50/司会:舩田善之・松田孝一)
参加をご希望の方は事前申し込みが必要となります。参加希望の方はこちら(Googleフォーム)よりお申込みください(申込締切:2024年6月15日(土))。