第4部会 《テーマ》入学者選抜・評価

部会のタスク

 この部会は、大学入試のあり方の検討を通して、高等学校と大学の間の歴史教育の接続ついて高校教員と大学教員の対話を目的として、本研究会発足時に設置された。この間、高校の新学習指導要領の施行によって進められた高校の歴史教育改革、とりわけ新科目(「歴史総合」「日本史探究」「世界史探究」)趣旨を生かした大学入試の実施が喫緊の課題となっている。大学入学共通テストの動向を注視するとともに、個別入試を実施する大学側に高校における歴史教育改革の現状と課題を伝え、大学入試の改善に繋げることも本部会の目的である。

これまでの活動

 高大研の全国大会でパネルと、年2回程度の研究会を企画することを中心に進めてきた。「歴史総合」など新科目の大学入試科目化の決定を踏まえ、最近3年間では大学入試共通テストのサンプル問題、試作問題等の検討をはじめ、新科目の入試科目化の可能性と課題について、大会パネルと年2回の研究会で議論してきた。また、研究会では実施された共通テストおよび各大学の個別試験の具体的な出題を取り上げ、問題の検討を行ってきた。

現在の活動

 2024年大会での議論をふまえ、2024年9月より北村副部会長のもとで入試問題検討のためのワーキンググループを組織した。約1ヶ月に1度のペースでオンライン研究会を開催しており、各回、約30名が参加している。ここでは「歴史的思考力を問う入試問題の“持続可能な”作り方」の検討と、新課程入試のあり方についての提言を取りまとめるべく活動している。これまで3回の報告会を実施しており、世界史探究と日本史探究の問題を分析した。2025年には新課程入試がスタートすることになり、早速共通テストの「歴史総合・日本史探究・世界史探究」の問題分析を進める予定である。これらの成果を踏まえたうえで、公開シンポジウムおよび2025年大会のパネルの企画について検討している。

歴代部会長
  • 割田聖史(2015年7月~2018年7月)
  • 鈴木茂(2018年7月~)
歴代副部会長
  • 中切正人(2015年7月~2016年7月)
  • 廣川みどり(2016年7月~2022年7月)
  • 大庭大輝(2021年7月~2024年7月)
  • 角田展子(2022年7月~2024年7月)
  • 北村厚(2024年7月~)
  • 杉浦美香(2024年7月~)
創設時(2015年)のテーマ:大学入試・高校新テストなどの検討や歴史系出題のあり方
*以下は創設時に交わされた議論の要旨

 第4部会は、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」「高等学校基礎学力テスト(仮称)」(以下それぞれ、「大学新テスト」「高校新テスト」)などの検討およびそれらにおける歴史系出題のあり方を検討する部会である。
 30人ほどが参加し、当日の司会は割田が務めた。そこでは、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」のタイムスケジュールに従うと、2016年度に作問イメージが公表されるとされていることから、このスケジュールをにらみつつ、提言を準備していくこととなった。また、そもそも、両「新テスト」および私立を含めた歴史系の出題で問われるべきものは何かが根本的な問題であり、この問題は他の部会との連携が不可欠あるという議論が行われた。
 提言を行い、根本的な問いを考えていくために、まずは情報の収集が不可欠であり、現行の大学入試センター試験・個々の大学の入試に対する高校側の評価や各大学での入試の考え方などについて様々な情報を得るために部会全員が参加するメーリングリストを作ることとした。
 さらに、具体的な提言をまとめていく際に中心となるワーキングループとして、11人(高校5人、大学6人)が選ばれた。部会長には割田聖史、副部会長には中切正人(岐阜県)が選ばれた。